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『野火』BD/DVD発売記念、塚本晋也監督インタビュー

『野火』BD/DVD発売を記念して、塚本晋也監督にインタビューをしてきました!代表作7タイトルのブルーレイ化についてもお話を聞きました。盛りだくさんの内容となっております。
サイン入りコメントカードのプレゼントもありますので、ぜひ!

野火

―原作の出会いから撮影にいたるまで時間があったと思いますが、撮り始めるきっかけはなんだったんでしょうか?

今から、3、4年前ですか、世の中が変わってしまって、日本の兵隊さんがボロボロになってしまう映画を撮るっていうのはどうも不謹慎ていうまではいかないにしてもそういう空気感が漂い始めていたので、この時に作らないとこれ以上先はないと思って作ったのがきっかけですかね。

―完成から上映までも時間がかかったのでしょうか?

野火

普通よりはそうですね。完成してヴェネチア国際映画祭に出したんですね。2014年の6月に完成して、9月にだして、ギリギリというかトントン拍子だったんですね。普通その流れだと、次の年の4月とかに公開だったんですが、映画を終戦記念日にひっかけたかったので、一年ぐらいあいちゃった後の終戦記念日にうまく山が来るように出来たので、1年近く上映まで時間がありました。

―その期間は意図して作られたのでしょうか?

意図もありましたし、自主宣伝配給にしたので、ノウハウがまったくないので、ギリギリの宣伝の期間では出来なかったという事と、手探りであったという事と。
あと僕が3ヶ月、マーティン・スコセッシ「Silence(原題)」に出演する事があったので、これが非常に重要だったので、1年あき、全てがちょうどよかった。

―1年あいたからとはいえ、公開された時のお客様の熱はすごかったですよね。

ちょうど70年という事もあったですし、(70年は)狙っていなかったんですが、戦争体験者の方々が、いらっしゃらなくなるそういう70年だったので、僕がその年に作ったのは偶然ではなかったのだと思います。必然的な70周年の終戦記念日というところだった。

―撮影期間はどうだったのでしょうか?

プロのスタッフが少なく、ボランティアスタッフだったので、準備しては撮影しての繰り返しの半年でした。

―血と緑のコントラストや、色味が強い景色が印象的でしたが、撮影場所にはこだわられたのでしょうか?

そうですね。場所はフィリピンなんですよね。
原作を最初に読んだ時から、大自然のほんとに美しい自然と、人間だけがそこでちっぽけで、なんでこんなひどい事をやっているんだろうっていうコントラストを描きたかった。
これは最初からのプランだった。きれいな南国の大自然で撮るというのは決まっていて、フィリピンの映画なので、基本はフィリピンで撮って、あとはきれいな風景を求めてカウアイ島というところにも行きましたし。
だから、お金はかかってはいないと言いながらも、かけるべきところにはかけて、普通かけるところにはかけていないという。

―キャストで森優作さんが印象的だったのですが、オーディションで選ばれた決め手はなんだったんでしょうか?

野火

決め手は普段のぼよーんとした現代的なところですかね。戦場で段々豹変していく差が一番デカい人という事で。森君にお願いしました。
森君は、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』に生徒さんで出演していて、実は僕も出ていたので、2度目の共演っていうのかな?で、次の作品にも僕も出ているので3本一緒なんですよね。

―意外な共演経験があったんですね(笑)
リリー・フランキーさんと中村達也さんはどうだったでしょうか?

野火

両方ともベストキャストでやらせていただいて。

―リリー・フランキーさんの役がすごく際立っていて。

野火

リリーさんは、戦争じゃなかったら、いい人だったかもしれない。ああいう場所に行ったら、どうなるかっていうのをほんとにきれい事じゃない人間らしさを演じてくれるだろうと期待して頼んだんです。きれい事にしない、普通の人、良くも悪くもない普通そうだろうって思う人を。素晴らしかったです。

中村さんは『バレット・バレエ』が初めての俳優デビューなんで、それ以来いつかご一緒したいなーと思っていて、(中村さんのキャラクターは)原作とは違うキャラクター設定にしたので、その色付けをした時に中村さんがぴったりだったのでお願いしました。
色付けと言っても原作を変えちゃう事はしたくなかったので、あくまで原作に近寄る意味でちょっと変えただけ。

タグ : 映画 勝手に!?映画祭

掲載: 2016年04月26日 10:50

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